結婚披露宴でスピーチを頼まれると、よほど話好きの人でないかぎり、何を話そうかと頭を抱え込んでしまうものだ。
素直に祝福する気持ちをあらわすだけでなく、何かしゃれたことをいわなければならないと思い込んでいるからにちがいない。
そして、新郎新婦だけでなく招待客たちの印象に残り、堅苦しくなく、ちょつとユーモラスになどと欲張った気持ちからか、下ネタに走る人がいる。
でも、晴れやかな結婚披露宴の席での狸談ほど聞き苦しく下品なものはない。
媒酌人や来賓、新郎新婦の親や親戚など、礼節を重んじる世代の列席者も多く、もしスピーチをしたのが新郎の友人代表だったりすれば、彼の品位まで疑めてしまいかねない。
ウケ狙いで狸談をもち出すなど、もってのほかだ。
犬やペットの専門家・高橋ナツコ