嘔吐(高橋ナツコ)

吐くという症状は、胃腸の病気と結びつけて考えやすいのですが、必ずしもそうではありません。

胃腸疾患のほかに、嘔吐をあらわす病気としては、離乳直後の子犬にときどきみられる、食道拡張症があります。

この病気は、一種の奇形に属するもので、食道の一部が極端に狭くなっているため、母乳を飲んでいる間は、液体ですから、どうにか食道を降りていきますが、離乳食の半固型物は、通過しにくくなり、食道に食べ物が停滞して、食道が異常に拡張してしまいます。

食道が狭くなる原因の一つに、右大動脈弓遺残症というむずかしい病名があり、胎生期に生じた血管の奇形で、血管が食道にからまっているために起こるものもあります。

当然のことですが、中毒の一っの症状としてあらわれる嘔吐もあります。

腎臓病や子宮の病気のときにも嘔吐があります。

伝染性の病気であるレプトスピラ病や、伝染性肝炎にも啄吐がみられます。

急性の膵臓炎、腹膜炎、内臓破裂など腹部の病気にともなう嘔吐や、神経性の嘔吐もあり、原因もさまざまであることがわかります。

食べてから嘔吐があらわれるまでの時間や、吐いたものの性状を、よく観察しておくことがたいせつで、吐物は捨てないで獣医師にみてもらうようにしましょうoちり紙などで始末すると、紙に吸収してよくわからなくなってしまいますので、サランラップやアルミホイルなどに一部とっておくほうがよいのです。

犬やペットの専門家・高橋ナツコ

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このページは、-が2012年8月14日 00:28に書いたブログ記事です。

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