私は小さいころ、父のお弟子さんの月謝や、催しものの際の封金包みを開くお手伝いをしたものです。
水引のかかった奉書包みをあけてみると、折り目のないきれいなお札を薄い美濃紙で下包みをして奉書に包んであるもの、無造作にしわくちゃな紙幣を入れてあるものと、そのひとつひとつにご当人の人柄がはっきり出ているのが子ども心にもわかりました。
現金を贈る場合は、必ず新しい紙幣を入れるのが礼儀です。
どうしても都合のつかないときは、銀行で新しいお札に替えてもらうとよいでしょう。
いちばん大切で、いちばん重宝で、それでいていちばんやりとりのしにくいのが現金です。
人に物を差し上げるには、与える驕慢さを持たないことが、進物の極意だと思います。
犬やペットの専門家・高橋ナツコ