このしつけは、犬を家庭に迎え入れたときから、ただちに実施しませんと、家の中で飼うペット犬では、家中がおしっこだらけになり、その始末で一日追われてしまいますし、上手にしつけられなかったときには、犬との生活が続く限り苦労が絶えない結果になります。
このしつけは、ほんの一~二日でうまくいく場合と、最初にきっちりとしつけられなかったときは、半月も一カ月も、このことで悩まされることになりますので、一人住いの方や、家族が面倒をみられないようでしたら、お勤めの方は、一~二日は会社を休んで、このしつけに専念するほどの準備をすることをおすすめします。
犬やペットの専門家・高橋ナツコ
犬の性格によっては、ほとんど罰を加えないでも、どんどん覚えていく場合もあり、よくできたときには、「よーし、よくできた、よくできた」と励ましながら、犬ののどから胸にかけて、やさしくなでてやります。
われわれ日本人は、犬の頭をなでることが習慣のようになっていますが、犬の習性からいって、いきなり、知らない犬に対して頭の上から手を差しのべるのは、犬に圧迫感を与え、首すじをおさえつける動作につながるのでよくありません。
はじめての犬にさわるときには、手のひらを下のほうから犬の鼻先に近づけて、臭いをかがせて安心させてから、のどから胸にかけて、さすってやるほうがよいでしょう。
犬をほめるときも、この方法が最適で、胸のあたりは、指を曲げて、皮膚をひっかくように刺激を与えてやるのも犬はたいへん喜ぶものです。
犬と対面し、口もとを両手で耳の方向にさすってやり、ほほずりさせるのも親愛の情を深めるコツです。
犬を落ち着かせるときも、この愛撫からはじめて「じっとして」と声をかけながら、耳のつけ根や背中をなで、犬を寝かせて腹部もさすってやり、足の先なども手で握ったりして、安心感を与えるようにしますと、手入れや爪切りなどがあとでやりやすくなります。
もう一歩進めて、片手で口をあけて口の中を点検したり、食べ物を口の中に入れてやるなども親密度を増すうえで効果があり、従順な犬にしつけるコツであり、薬などを飲ませるときにも役立つことになります。
これらの動作は、毎日少しずつ拡大していって、一日一~二回は実行してやるのが、犬と人とのスキンシップ(肌の触れ合い)になり、有効に作用しますが、もし何か犬がいやがったりしたときは、すかさず「いけない」といって叱り、おとなしくしたら愛撫してほめてやります。
叱ってもやめないときは、首すじをしっかりつかまえておさえ込み、「いけない」と声をかけて、犬の自由を束縛する方法をとってください。
首すじをおさえるのは、母犬が子犬を叱るときにする行動に近いので、ぶったりするよりも効果があるものです。
叱ってもやめないときは、首すじをしっかりつかまえておさえ込み、「いけない」と声をかけて、犬の自由を束縛する。
ぶつより効果がある。
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賞罰をはっきりとするのが訓練の基本ですが、専門の訓練士の方法を見ていますと、賞(ほめること)が九〇パーセント、罰(しかること)が一〇パーセントぐらいの割合で、罰といわず、矯正の強弱というほうがよいかもしれません。
よくできたときは犬ののどから胸にかけて、やさしくなでてやる。
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教育的に、ただ単に、ビシビシやるというのでは、犬と人間の間の信頼関係は生まれません。
かといって愛情べったりでは、こちらの望むところがぼけてしまい、意志が通じないことになりかねませんから、このかねあいがなかなかむずかしいと思います。
根本的には、犬より人間のほうが優位にあるようでなければならず、少なくとも兄貴分ほどの関係を作る必要があります。
そのうえで、犬に恐怖心を抱かせるのでなく、賞罰をはっきりと示し、タイミングをはずさないようにしながら、こちらの目的とすることを犬が上手にやりとげたときは、十分にほめてやって喜びを与えることがポイントです。
専門の訓練士は、犬の性格を硬性なものと軟性なものとに分けて、その性格に合った指導をするので、訓練の学習がスムーズにいくようですが、はじめて犬と接する人にその判断を要求するのは、たいへんむずかしいことですが、硬性なものとは、きわめて積極的で、少しばかり罰を加えられても、へこまないで強情な面のある気質をいい、軟性とは、その反対で神経質で、精神的平衡を保ちにくく、ある面では恐怖心を抱きながら興奮しやすい性格をいいます。
しつけの際の、人間の意志の伝達の方法もはっきりしておかなければいけません。
それは言葉と動作ですが、訓練用語では"声符躍と"視符"といい、言葉とジェスチャーを統一しておくことがたいせつです。
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コンパニオン・ドッグという言葉がありますが、直訳すれば伴侶犬ということになるのでしょうが、もう少しくだけたいい方にすると、気の合った犬、話し相手の犬などがよいかもしれません。
ペット犬は、コンパニオン・ドッグでなければならず、血統がよくても悪くても、性質のよい、協調性のある犬でなくてはなりません。
子犬たちを、人間生活とまったく隔離して、三カ月間母犬まかせにして育てさせた実験によりますと、社会適応化がまったくできなくなって、人が近づけないほど野生化してしまうこと
からみても、人との愛情のある接触が、犬を育てるうえで、いかに重要であるかがわかります。
しかし、やさしい愛情だけでは、われわれの現代生活にマッチした犬は育ちません。
子供のしつけと同じで、共同生活をするために最低必要なルールを教え込まなければなりません。
犬のしつけと訓練は、基本的にはまったく同隔'じで、しつけは、その家庭に合った基本的な訓練であり、警察犬や牧羊犬、作業犬では、一定の決まった課目があって、コース別に、段階的に訓練内容が高度になって、訓練試験を受ける制度になっていますが、この場合は、専門の訓練士の指導によらなければ、なかなか目的を達することはできません。
しつけでも訓練でも、その第一の基本は、犬に愛情をもって接するということです。
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食事の時間は、はっきりと決めておき、人間の都合で適当にルーズにやるのはよくありません。
また、だらだらと時間をかけて食べているときや、食べ残したときは食器をかたづけてしまうようにして、きちんと食べるしつけをしてください。
人の食卓から食べ物を与えることは、極力やらないように家族で申し合わせ、もし与えるときは、犬の食器の中へ入れて、犬の食べる場所の食器の中へ入れて、犬の食ぺる場所でやる。
食事の時間は、はっきり決めておき、人間の都合で適当に、ルーズにやるのはよくない。
だらだらと時周をかけて食べるときや、食ぺ残したときは食器をかたづけてしまう。
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生後六カ月以降は、一日二回でよく、七カ月から十カ月で、成犬の大きさに近づいてきたときには、一日量を表3の成犬なみに減量することが必要で、肥満犬にならないようにしましょう。
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私たちの暮らしの中で、ある人にとってはかわいい犬、あるいはこわい犬、不自由な人たちの歩行を助ける犬(盲導犬)、犬本来の鋭敏な嗅覚と勇猛な闘争心を発揮して、警察官の捜査活動に役立つ犬(警察犬)など......。
こんなにいろいろな形で飼われ、愛され、訓練されている犬は、いったい、いつごろから飼われたのでしょうか。
古代人類の生活、文化を研究する、考古学的には、紀元前8000年の大昔、つまり石器時代の遺跡から発掘されたともいわれ、また日本でも、縄文
の付された土器が見つけられた、いわゆる新石器時代の遺跡の中からも、家畜としての犬が生存していたことが記された文献が見受けられます。
その意味で、犬の先祖は、一説には、現在のイヌ属であるオオカミやジャツカルの先祖と同じような動物ではないか、という説もあります。
これは、犬の警戒心や闘争性、あるいは犬が群れをつくったり、遠ぼえで仲間を呼んだりすることが、オオカミやジャッカルの血が流れているからと思われますが、現在の犬は、人間生活との長いかかわり合いの中で、さまざまに変化し、改良されてきています。
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赤ちゃん犬が誕生し、無事、出産が済みましたら、母犬の汚れた部位、とくに陰部などは、ぬるま湯で洗って、きれいにしましょう。
そして、赤ちゃん犬が母犬のお乳を飲む前に、乳房やその周辺もきれいにしてあげます。
健康な子犬は、どんどん母犬のお乳を探して飲みますが、中には、まごまごしていつまでもお乳にありつけない吸いつきの悪い子犬もいますから、こんなときには、口を少し開けてやり、乳房をふくませてやると、ほかの犬と平行して飲むようなります。
そして、母乳は下腹部に近い乳房の方がよくでます。
また、母犬にも、出産のねぎらいのために、ミルクを少し与えるか、軽い食事をあげるようにしてください。
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母の母乳不足や子犬自体が虚弱で母乳を飲む力がない場合も少なくありませんが、このような子犬はできるだけ早く発見しなくてはなりません。
原因はいろいろありますが、母乳が不足すると、子犬は、いつまでも鳴き続けたり、母乳を含んでも、飲もうともしません。
こんな場合は、市販の犬用のミルクをじょうずに哺乳すれば、うまく成功することもあります。
人工哺乳の方法には、哺乳用の注射器、チューブで調整乳を注入する方法もありますが、この方法は、なれないとうまくいきませんから、あまり、獣医師に通う時間的余裕がなくても1度は訪ねて、注射器の操作、方法などを指導してもらうことです。
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陣痛にはじまり分娩、新生児の実際の処置については、一応、出産の経験者または獣医師による指導で、処置していただいたことを前提として、ここでは、無事出産を終えた子犬、母犬について述べます。
正常な分娩で、この世に生をうけた子犬は、子犬の本能として母親の乳房を探すしぐさをしますが、その前に、温湯でしぼったガーゼで、母犬の乳房とそのまわりをきれいにふき、子犬を母犬の乳房につけてやります。
この場合、母犬の本能として子犬の体をなめたり、子犬が、母乳を飲むままにしていますから、飼い主、または母犬がとくになついている人以外には、そばによらないようにして、母犬に安心感を与えます。
子犬の数は、5~6頭ぐらいがふつうですが、子犬の母乳を飲む量が少ないので、バランスがとれるはずです。
出産から2、3日の間に子犬が飲む母乳は、"初乳"といって、母犬から護り受ける免疫体を含んでいますから、全部の子犬が均等に飲めるようにします。
母乳は、そのー、2日の間は、色も薄く、量も少ないのですが、十分間に合いますから、心配は要りません。
4~5日たち、子犬の飲む量がふえてくると、母犬の乳房も張ってきて、色も濃くなります。
したがって、母犬の食事も徐々にふやし、高エネルギi、高たんぱく質、脂肪、カルシウムを含む食事にします。
なお、母犬に何かの故障があって、母乳の出がわるかったり、母犬が子犬の授乳をいやがることもありますから、一応、人工哺乳も考えてください。
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お産のお手伝いは、いろいろな方法がありますが、ここでいうのは、母犬から子犬をとり出すことを手伝ったり、思わぬ難産で、まごまご、おろおろして側にいるだけということではありません。
"お産"という一大事に際して、母犬はやは心細く、不安がるのは当然です。
そのため飼い主がいつもと変わらぬようにして、母犬のそばに付き添ってやり、はげましの言葉をかけながら、おなかをさすったり、頭を撫でてやるのも、助産のひとつです。
出産に対して、獣医師にまかせっきりでは、あまりに無情なばかりでなく、新しい生命誕生の喜びすら半減するといえましょう。
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出産場所、産室、産箱、必要な用具もそろい、獣医師への手配も済んだといって安心せず、新しい生命が誕生する母犬自身にも、十分気を配らなくてはいけません。
それは、母犬の手入れです。
そのひとつとして、とくに長毛種のマルチーズ、沖、ポペラニアンなどのような犬種は、生まれてくる赤ちゃん犬が授乳しやすいように、母犬の哺乳のまわりの毛を切っておきましょう。
常時手入れに使っているハサミで、かんたんにできます。
切らずにいると、授乳の不便ばかりでなく、生まれてきた子犬の手足の脈が毛にひっかかったり、手足をひねったり、思わぬけがをします。
また、母犬の毛は、2、3か月でもとどおりにもどります。
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妊娠中は、獣医師の定期検診を受け、出産までのいろいろな注意点を聞いておきます。
そのためには獣医師と相談して定期診断日を決めておきます。
出産日は、前にも述べたように、約60日後ですが、出産が近くなると、妊娠犬は、床や敷物をひっかいたり、地面をガリガリかいたりして、落ちつかなくなります。
こんな状態になったら、早目に産み箱を用意することです。
産み箱の置き場所は、家人の出入りの少ないところ、車の走る道路際などは避けてください。
産み箱の作り方産み箱は、段ボール箱または木箱を用意し、大きさは、妊娠犬が横になって寝ることができ、中に食器を置けるスペースが必要です。
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たんぱく質、脂肪、カルシウムなどと、食品についてのむずかしいことばかりを述べましたが、食品栄養素の中の鉄分も考えてください。
母乳や牛乳には、むずかしく考えなくても、いろいろな栄養成分が含まれてはいますが、残念ながら鉄分が含まれていません。
離乳期ごろまでは、蓄えられていた鉄分でまかなえますが、生後50日後を過ぎると不足します。
貧血を起こしたり、弱々しい子犬にしないためにも、鉄分を補給することが必要です。
鉄分は、鶏のタマゴや牛、鶏のレバーにも含まれていますが、一般には、鶏のタマゴがよく、それも、半熟にして、熱をさましてから、黄味だけを与えるようにしてください。
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同じ皮膚病でも、毛包虫病の症状は、顔周辺の毛が脱けたりします.。
湿疹と同じように、バランスのとれた食事と清潔な体にしておくと、この病気にかかることは少なくなります。
もしかかったら、殺虫剤を含む塗布剤が市販されていますが、中毒になりやすいので、獣医師に相談してから塗布してください。
真菌症病気は、常に弱いところを攻めてきますが、四股の下部、皮毛の薄い頭部など、比較的皮毛の薄い部分をねらって、カビの一種である真菌が寄生する病気です。
皮膚病は、環境が常に清潔であれば、特別な体質でない限りかかりませんが、もし症状を発見したら、獣医師の処方による抗真菌剤を使用するようにしてください。
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ぜんそく病のようなせきや毛ぎれ、また、貧血症状を起こしますが、感染しても、症状がすぐ現われませんので、発見しにくい病気です。
感染は、この病原菌をもった犬に蚊がとまり、その血を吸ったあと、蚊は健康な犬を襲って血を吸うということから発生するわけです。
犬を、蚊から完全に守るということは、なかなか困難なことですが、つとめて蚊から犬を守る環境におくことです。
とくに、症状が発生したときには、かなりの重症で、心臓や肺、肝臓や腎臓機能がおかされています。
6月から11月ごろまで、薬を飲ますことで予防できますので、獣医師に相談しましょう。
後は軽症のうちに早く発見することだけが頼りです。
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レプトスピラ症には、犬チフス型ともいわれるカニコーラ型と黄疸性と俗にいわれるワイル型の2種類あります。
いずれも嘔吐や下痢症状を起こしますが、感染経路は、人間の尿やネズミの尿などで汚染されたものを食べると感染します。
嘔吐は、カニコーラ型の方がワイル型よりはげしく、水を飲んでは吐き、一定時間後また水をほしがり、しばらくしてまた吐くことをくりかえします。
黄疸症状を起こすワイル型になると、60%~70%死亡します。
また、このレプトスピラ症は、人畜共通のものですから、予防には、神経を要します。
現在では、この病気のためのワクチンが製造されていますから、とくにネズミの多い場所では接種が必要です。
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昔から、神経症ジステンパーの異名があり、この病気におかされると、趾踪(足のうらの豆)や鼻鏡が硬くなり、ついには、あかぎれのようにひび割れを生じる、角化現象が現われます。
発病初期は、ジステンパーと大きな違いはなく、一見、軽い症状に見えますが、趾蹟、鼻鏡の角化が進行すると突発的に神経症状を起こし、ケイレンや脳症状が起こると、ついには死亡することにもなります。
治ったあとでも、さきには、顔面のケイレン状を呈することもあるおそろしい病気です。
予防には、ジステンパーと同様のワクチン接種の方法で予防できますから、発病前に獣医師のもとで接種しておくのが安全です。
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新しいウイルスの伝染性腸炎として、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスなどで発生の報告がみられ、日本でも昭和54年ころから発生がみられるようになりました。
死亡率も極めて高く小犬では100%、成犬では50%ともいわれます。
この病気が感染すると、何日かの潜伏期を経て、突然はげしい嘔吐と下痢になり、元気も食欲もまったくなくなります。
重症では、生後2、3週齢の子犬に感染すると、1、2日で死亡するというおそろしく急性の病気です。
予防には、アルコール、クレゾール、逆性石けんなど、一般消毒薬はほとんど効果がありません。
緊急予防のためには、獣医師の指示に従うのが安全です。
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いまでこそ狂犬病などということはききませんが、戦後間もない昭和22、23年ごろは日本中にまん延し、犬を見たら狂犬病が能裏に浮かび、安心して犬も飼えない時代がありました。
しかし現在は、飼い犬は生後3か月以上になったら春、秋2回の狂犬病予防注射や保健所登録が義務づけられているので、影をひそめました。
症状は、うつむきかげんにして、よだれをたらしながら、フラフラ、ヨタヨタ歩きをして、手あたり次第、見さかいなくかみつきます。
いまは日本にはない、といっても、アジア、ヨーロッパほか各国には、まだ狂犬病は発生しているので、いつ日本に侵入してくるかわかりません。
予防接種は、必ず実行しておきましょう。
犬やペットの専門家・高橋ナツコ
しつけが心要なのは犬より飼い主。
犬は本来、対抗してほえる警戒本能と、かみつく闘争本能とを特性としてもっています。
野生時代にはこの二つの特性を発揮して、敵から仲間と自分の命、さらにテリトリーを守ってきました。
しかし、人間と共同生活をしている今日、その本能のまま、あるいはそのときの感情次第で人間にかみつくのでは困ります。
この矯正法は、先に述べましたので重複を避けますが、厳格にしつけ直さなければなりません。
犬が人を襲うのは、たいてい背後から、足をかみます。
つまり、自分の領域に入った警戒すべき未知の人が帰りかけたときです。
用心しましょう。
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散歩に、出たときなど、通りすがりの人にまで親愛の情を示し、後を追っていこうとする犬がいます。
数メートルならご愛きょうでよいですが、きりがないようでしたら「もう終わりね」とでもいって打ちきりましょう。
たまたま、追われる人が犬ぎらいだった場合は、ご愛きょうがかえってアダになってしまいます。
このこ愛きょうの制御は、馬の手綱のように引きひもでします。
持った引きひもの端を少々高く上げ、犬の体力に応じた力で瞬間的に引き、「もう終わりね」または「ヤメH」と言います。
要するに、そうして首輪ののどもとに刺激を与え、その不快感で、ただちに行為を中止しなければならないことを覚えさせるわけです。
犬やペットの専門家・高橋ナツコ
犬を入れる箱は、重さ10k9、長さ70㎝、タテ・ヨコ・高さの合計が90㎝以内で、犬の顔や手がでないこと。
現在、ペットといっしょに泊めてもらえる旅館、ホテルなどの宿舎はほとんどありません。
したがって、旅行に犬を連れていくときには、仮のハウスであるケージ(かご)をはじめ、いつも与えている飼料などを携行する必要があります。
ペット同伴の旅行というと、乗物はたいがいマイカーですが、犬の定位置はこの車中で、宿泊もここでさせます。
したがって、なるべく静かな場所で、夏なら木陰などの涼しい所、冬なら日当たりのよい所を選んで駐車し、さらに車内の寒暖の調節・空気の流通なども考慮してやります。
なお、犬の排便をどこへでも放置しないように、散歩のときと同じく移植ゴテなども携行しましょう。
たいていの犬は、自動車に乗せられることが特別うれしくて、ドアを開けると真っ先に飛び込みます。
この無作法も、家族の一員の犬である限り、許しておいてはなりません。
このしつけは、まずドアの前で"スワレーオアズケ"の姿勢をとらせることから始めます。
これができたとき初めて、「ヨシ」で乗り込ませます。
以上の順序をわきまえず、飛び込んでくる犬に対しては、音の出る玩具の槌などを持って先に乗り込んでおき、「イケナイ!」という気合いとともにその槌で犬の頭をたたいて矯正します。
車中では、一定の席を与え、動き回らないようにしつけます。
特に運転者が主人であった場合、まつわりつかないように配慮しましよう。
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